
高血圧症
(こうけつあつしょう)
■ 高血圧症の定義

●医療機関での計測の場合
140/90mmHg以上
●ご自宅での計測の場合
135/85mmHg以上
医療機関での血圧が140/90mmHg以上(家庭での血圧が135/85mmHg以上)は「高血圧症」とされます。
(ただし、血圧は変動しやすいので1度の測定だけではなく何回か測定を繰り返すことで判断されます)
頭痛、立ちくらみなどの症状がみられることもありますが、自覚症状がないことが多く、気づかずに放置してしまうケースもあります。
■ 高血圧症による合併症
高血圧症を放置しておくと動脈硬化が進行し、心臓病、脳卒中、慢性腎臓病などにつながることがありますので注意が必要です。



■ 治療方法
治療の基本は生活習慣の改善(食事療法、運動療法、ダイエットなど)ですが、改善が見込めない場合は薬物療法が考慮されます。
薬物療法では降圧薬を処方します。以下に代表的なものを挙げて説明します。
1.カルシウム拮抗薬
カルシウムの細胞内への流入を阻害することで効果を示す薬剤です。血管平滑筋に作用して血管を広げることで血圧を下げる効果があります。また、心臓の血管(冠動脈)を広げることで狭心症の治療に用いられたり、一部のカルシウム拮抗薬は心筋細胞に作用することで頻脈性不整脈の治療に用いられます。
2.アンギオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)
アンギオテンシンⅡは血管を収縮させ、またアルドステロンの働きを介して塩分や水分の吸収を高めて血圧を上昇させる働きがあります。アンギオテンシンⅡ受容体拮抗薬はアンギオテンシンⅡの働きを抑えることで、血圧を下げる効果があります。降圧作用とともに心臓や腎臓の保護作用も認められています。
3.利尿薬
体内の水分、塩分を排出することで血圧を下げる薬です。
4.β遮断薬
心臓のβ受容体が刺激されると心拍出量が増加して血圧が上昇します。β遮断薬はこのβ受容体を遮断することで心臓の働きを抑えて血圧を下げる薬です。
これらの薬は個々の症状や合併症の有無などにより処方内容が決定されます(できるだけ少ない薬の量ですむように食事療法、運動療法などを併用していくことが大切です)。
また、当院では高血圧治療補助アプリ(Cure App HT)による高血圧治療を開始しました。
スマートフォン用アプリを使用した6ヶ月間の短期集中プログラムです。
アプリを通して高血圧症に関する知識を習得し、一人ひとりにあった取り組みを提案、毎日の血圧測定結果をアプリに入力し治療効果を確認することができます。
詳しくは下記をご参照ください。
食事療法

運動療法

ダイエット

【動画】薬じゃない高血圧治療も!?